『ぐりとぐら』誕生50周年記念の企画である
中川李枝子さんと スタジオジブリの宮崎駿監督の
スペシャルな対談を聴きに行くことができました。
テーマは「今を生きる子どもと親に伝えたいこと」
滅多にない組み合わせのお2人の対談という事で
会場は独特の熱気に包まれていました。
中川さん、宮崎さんとコーディネーターとして
福音館書店の方が登壇されて対談が始まりました。
おふたりは「となりのトトロ」のテーマソング「さんぽ」の作詞を
中川さんが手がけるなど、以前から親交を深めていらっしゃるそうです。
でも実は、それよりもずっと前から石井桃子さんを通じて
繋がっていたといえるのではと・・・
それというのも宮崎さんは大学時代から沢山の絵本・児童書を読まれていて
その過程で石井桃子さんに大注目。
別格の方だと思い、敢えて会いたくないと思うほど尊敬していたそうです。
一方、中川さんにとっても石井桃子さんは特別な方。
石井さんが編集した岩波少年文庫を読んで衝撃を受けた中川さんは
その後、「子どもの本研究会」で石井さんと出会ったそうです。
『いやいやえん』出版にあたっては石井さんに全面的にお世話になったとのこと。
・・・そうして出版された『いやいやえん』を宮崎さんは学生の時に読んで
「アニメーションにしたい!」と思ったというのですから、不思議な縁ですよね。
宮崎さんがしみじみ「中川さんは別格。
中川さんと同じ時代に仕事できたことを幸せと思います」
とおっしゃっていたのが印象的でした。
(ニュースで見たら正しくは「別格官幣社」って言っていたようです。
国家に功績のあった人をまつる神社のことなんだそうです・・・
何だかすごいたとえです・・・)
そんな『いやいやえん』のお話から、
宮崎さんがアニメーションにしたという『くじらとり』の誕生した過程や
アニメーションにしたときのエピソードなどに話題は移り
保育園・幼稚園の子どもたちについてとお話が広がっていきました。
長年、保母さんとしてはたらいていらっしゃった中川さんと
ジブリスタッフの子どもたちのために保育園を作られた宮崎さんとで
時代の移り変わりと保育園と・・・変わってきたこと、変わらないもの、
子どもにとって大切なものは何かということを
子どもたちのエピソードを交えて語られました。
お話は子どもたちを軸に色々な方面に転がっていきました。
どんなお話をされていても感じるのは
おふたりの子どもに対する暖かな視線と信頼感です。
中川さんが、大人が子供をよく見ているように・・・
それ以上に子どもは大人をよく見ていて
大人のやることや、大人の見ているニュースに、
敏感に反応するとおっしゃっていました。
本当にそうですよね。
「日本には『児童憲章』というものがある。児童は、人として尊ばれる。
児童は、社会の一員として重んぜられる。児童は、よい環境のなかで育てられる。
この三原則を守ってほしい」という中川さんのメッセージが響きました。
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