中川李枝子さんと山脇(大村)百合子さんの姉妹による
野ねずみの『ぐりとぐら』のおはなしは日本でもっとも有名なネズミの絵本ではないでしょうか。
今年はその『ぐりとぐら』が誕生50周年を記念して、「ぐりとぐら展」が開催されます。
そのスタートとなる東京会場の松屋銀座に行ってきました。
たまごのかたちのチケットがかわいい~♪
これはこれだけで飾っておきたい可愛らしさ。(帰宅してからも、早速冷蔵庫に貼りました。)
もともと休日に行くことにしていましたが、
とても混雑しているらしいと聞いたので、まずは平日に行ってみることにしました。
松屋に到着し、エレベーターを降りると・・・
なるほど、平日の夕方にもかかわらず大盛況!
会場に入る前から、今回の展示の人気の高さがうかがえました。
(ちなみに日曜日に再訪したところ、午前中から入場制限がかかるほどの
混雑っぷりで90分待ち・・・リピートは諦めてしまいました。)
気になる展示内容は大きく3つのコーナーにわかれていました。
★『ぐりとぐら』の原点
中川さん山脇さんの姉妹のデビュー作である『いやいやえん』や『そらいろのたね』
といった初期の絵本作品の原画を見ることができます。
「ぐりとぐら」が絵本になる前、「たまご」という表題で掲載された当時の母の友や
初期の童話の挿絵など貴重な資料が沢山ありました。
私は中でも『いやいやえん』の挿絵が印象的でした。
先日の中川さんと宮崎駿さんとの対談の際に
宮崎さんが『いやいやえん』絶賛されていましたが
私は「ちょっぴりうす気味悪いお話」という印象が強いんですよね。
小さい頃から「なんだかコワイ」と思いながらも、何度も読んでいたので
『いやいやえん』は私の中では「こわおもしろい」というジャンルです。
今回、改めて挿絵を見ながら、久しぶりに読み返したくなりました。
★『ぐりとぐら』の世界
『ぐりとぐら』のお話全7作品から、原画と複製画でお話をたどることができます。
それぞれのお話ごとに原画がまとめられていて、
各スペース毎に大きな本の模型が飾られています。
『ぐりとぐらのえんそく』に出てくる大きな毛糸玉や
『ぐりとぐらとすみれちゃん』に出てくる大きなかぼちゃなど、造作物もありました。
私が最もワクワクしたのは床に貼られた『ぐりとぐらのかいすいよく』の大きな地図。
海のない県で育ったせいか、この本を読んでもらっては
「海が近ければこんな手紙がしょっちゅう流れてくるのかなぁ・・・」
と、ぐりとぐらのことをうらやましく思っていたものです。
小さい頃、プールが大好きだったので、
この絵本の中で海ぼうずがぐりとぐらに泳ぎを教える場面が
特にお気に入りだったこと、真似して泳いでみたり、
父親にねだって海ぼうずのように浮き輪をひいてもらったりして遊んだことを
懐かしく思い出しました。
またこうして並べて見ると『ぐりとぐら』シリーズはひととおり読んでいるのに
子どものころに何度も読んでもらった作品と、
少し間があいてから出版された比較的最近の作品では
自分の愛着度が全く違うんだなぁということにも気がつきました。
★広がる『ぐりとぐら』
小型絵本、かるた、海外版や点字の絵本など、
多岐にわたるぐりとぐらの関連作品を見ることができます。
数えきれないほど遊んだかるたの原画を見れたのは
とっても嬉しかったですが、
それぞれの原画の下に、タイトルがあればもっと良かったのになぁと思いました。
以前は絵札を見ただけで、何の札なのか全部わかったと思いますが
久しくやっていないので、絵は覚えていても
何の札か思い出せないものがあってモヤモヤしました。
絵だけでもかわいく楽しいですが、
かるたとしての魅力は読み札の言葉と絵札の組み合わせの妙。
言葉も一緒の方がもっと楽しいのに・・・と。
これは、今回の展示方法全般にわたって少し残念だった事なのですが
それぞれの絵に対するキャプションがとても少なかったです。
この展覧会を見に来ている人はみんな
「ぐりとぐら」が好きな人ばかりかもしれませんが
初めて見る作品があった方もいたはず。
キャプションが親切過ぎる場合もありますが、
子どもも沢山来る展覧会ですし、ただ原画を見るのではなく
より深く楽しくためのガイドがあったら良いのになぁ・・・と
感じたところが多々ありました。
今回の展示会オリジナルのグッズにも期待していたのですが、
私が訪れた日は、会期半ばの平日でも既に売り切れているものが多数あり
グッズ売り場では、たいして散財することもなく良かったのか悪かったのか・・・
限定品のおりがみとハンカチ、欲しかったな~残念です。
大人も子どもも沢山来場していて、
改めてぐりとぐらって愛されているんんだなぁと実感しました。
会場に併設された読書スペースでは、笑顔で絵本を楽しむ親子が沢山いて
世代を超えて愛されているロングセラーの強みを感じました。
この展覧会は、今後、長島美術館(鹿児島県)、ひろしま美術館(広島県)、
ジェイアール名古屋タカシマヤ(愛知県)、伊丹市立美術館(兵庫県)
を巡回するそうです。
限定グッズを買いたい方は早目に行くことを、
ゆっくり見たい方は平日に行くことをおすすめいたします。
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