根津の弥生美術館に行ってきました。
お目当ては《村岡花子と『赤毛のアン』の世界展
~本を道しるべに、少女たちのために~》
という展示です。
私が訪れたのは、またも会期期間ギリギリ・・・
NHK朝ドラの『花子とアン』が最終回を迎えようとしている頃でした。
弥生美術館は、駅から少し離れている美術館で
決してアクセスが良いとは言えませんが
その分、ひっそりと雰囲気のある美術館です。
竹久夢二美術館も併設されているせいか、夢二の絵から出てきたような
大正ロマン風のお着物を着た方もいらっしゃって素敵でした。
会場では、「赤毛のアン記念館・村岡花子文庫」
所蔵の史料を見ることができました。
また、松浦英亜樹による『赤毛のアンの手作り絵本』原画、
写真家吉村和敏(お料理ブックの写真を撮っている方ですね。
松本出身です!)による、
プリンス・エドワード島の写真等も展示なども展示されていて、
村岡花子の生涯と赤毛のアンがうまれたプリンスエドワード島の光景が
自然と頭の中で繋がっていきました。
個人的には『赤毛のアン』という作品だけに照準を合わせるのではなく
赤毛のアンの作者、モンゴメリについての言及があれば、
より面白かったかなと思います。
日本で過去に出版された数々の「赤毛のアン」を
一度に見ることができたのが面白かったです。
見たこともないものから、懐かしいものなど・・・
日本の出版の歴史も感じさせられました。
教文館の展示に行った時も感じましたが、ここでも、朝ドラ効果は抜群!
沢山の人が熱心に展示を見ていました。
それにしても、ドラマの中での花子に負けず劣らず、
実際の村岡花子さんの人生もドラマチック!
今まで、ドラマにならなかったのが不思議なくらいですね。
初めて出会った時から幾度となく読み返した「赤毛のアン」。
時代の波に翻弄されながらも、
村岡さんの情熱と信念で日本で読むことができるようになったのだなぁ
と考えると、とても感慨深いです。
連ドラは終わってしまいましたが、「赤毛のアン」と村岡花子さんへの再注目は
まだまだ終わってほしくないな・・・と思います。
ブームではなく、スタンダードへの原点回帰となるように、
長い間、読み継がれてきた本へ、
再び目を向ける機会になるように~と願っています。
嬉しいことに、最近は、アンや村岡さんの関連本が次々に出版されています。
そんな中、私のような年季の入った
「赤毛のアン」ファンにはたまらない1冊が発売になりました。
おはなしに出てくる印象的なフレーズを
原文と訳文ともに読むことができる
『赤毛のアンの名言集』です。
以前の装丁そのまま、
挿絵も懐かしの鈴木義治さんのものです。
村岡花子さんの翻訳を味わいたい方にもぴったり。
翻訳に興味のある方にも興味深い内容ではないでしょうか。
ちいさいおうちにも入荷していますので、ぜひ、実際にご覧になってみてください。
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