今日は、長野県の推薦図書に取り上げた本の中から
1冊をご紹介したいと思います。
三浦秀之著の『五色の虹』です。
この本は2015年第13回開高健ノンフィクション賞受賞作です。
1938年に満州国の文化系最高学社として創設された《建国大学》。日本人、朝鮮人、中国人、モンゴル人、白系ロシア人の優秀な学生を集め、共同生活の中で切磋琢磨して、将来の満州国建設の指導者たるべき人材を育成する目標を掲げていました。その大学へ進んだ若者の中に長野県諏訪市出身の藤森孝一さんもいました。彼は終戦後、ソ連軍の捕虜となり1947年に帰国します。
その後の彼らの人生を追う形で書かれたこの本には
沢山の人間のドラマが詰まっています。
タイトルの『五色の虹』には、先にあげた5つの民族の「五族協和」の精神が込められていました。知られざる戦後史の1ページに触れた思いがして、心が震えました。
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