映画『ハイジ アルプスの物語』を観てきました。
期待していた以上に素敵な映画で、開始15分から涙腺崩壊…上映時間の半分くらいはハンカチを握りしめての鑑賞。
エンドロールまで丁寧にこだわって作ってあって、最後まで『ハイジ』という物語に対しての愛を感じ、観終わった後にとても暖かい気持ちになれました。
何が良かったかというと、まずはその素朴さ。
山小屋にしても服にしても食事にしても、当然のように簡素で素朴。でも、それがとびきり素晴らしく見える魔法が『ハイジ』の物語にはあり、この映画もその魔法がかかっていました。
また、ハイジ役の女の子(アヌーク・シュテフェン)がとびきりカワイイ。
美少女…というのとは違うんだけど、のびのびとはじけるような笑顔がとても魅力的で、男の子の服を着てペーターと一緒に山を駆け回っているところなんて生命力にあふれていてまぶしかったです。
私が子どもの頃に読んでいた『ハイジ』は福音館書店の福音館古典童話シリーズ。このシリーズが大好きだったので、
当然『ハイジ』もこちらで読みました。
…が、子どもの頃の私にとっては
ハイジが夢遊病になるあたりのお話の展開がとても重苦しく怖く思えてしまい、
『ハイジ』はあまり繰り返し読んだ記憶がないのです。
なので、特別な思い入れがない分、気軽に映画の世界を楽しめたという事もあるかもしれません。
この長いお話を2時間の映画にしているので、展開がやや駆け足な部分もあるのですが(ハイジとおじいさんの距離の縮まり方など)エピソードの繋げ方などはとても自然だったと思います。
また、これは時間が足りないせいもあるのかもしれませんが、一つ一つのエピソードが割とさらりと描かれているのに好感を持ちました。
ドラマティックにしすぎないというか…その感じがかえってぐっときてしまい
随所で泣けてしまいました…こんなに泣けるお話だったかしら?と思うくらい。
映画が予想以上に素晴らしかったのと、
今ならば、子どもの頃の若干の苦手意識が覆るような気がしたので改めて、本でも読み返したくなりました。
現在、『ハイジ』の原作は
福音館書店からは私が読んでいたハードカバーの他に、文庫版も出ていますし、
岩波少年文庫でも読むことができます。
ちなみに福音館書店は矢川澄子さん訳で
岩波書店は上田真而子さん訳です。
読み比べてみるのも楽しそうですね。
講談社からは青い鳥文庫でも出ていますが、私がお勧めしたいのは絵本です。
素朴で優しいタッチのイラストもお話と雰囲気が合っているし、
お話もうまくまとめてあり、『ハイジ』の入り口に
まだ文庫を読むのは難しい年代の子どもにもぴったりです。
恵比寿ガーデンシネマでは3日までの上映ですが・・・
長野県では塩尻市の東座で12/23~1/19まで上映されるみたいです!
DVDやBlu-rayになるのを待つのもありですが、
あのスイスの風景の美しさは大きなスクリーンで観る価値アリ!ですよ。
まずは原作を読んで、映画を観に行くのはいかがですか~