少し前のことになりますが教文館ナルニアで開催していた
降矢なな絵本原画展に行ってきました。
…というブログを書こうと思っているうちに、
あれよあれよと事態が動き、会場である教文館さんが臨時休業になり、展示も中止になってしまいました。
仕方ないこととはいえ残念です。
遅くなってしまいましたが、素敵な展示だったので
感想を少し書き留めておこうと思います。
今回の展示では
降矢さんの絵本デビュー作
『めっきらもっきら どおんどん』(福音館書店)から最新刊の『ピーターとおおかみ』(偕成社)までの様々な絵本の原画が約120点展示されていて、見ごたえがありました。
また、現在、降矢さんが拠点としているスロヴァキアの文化も紹介されていて、スロヴァキアでの生活が作品に影響を与えていることが垣間見ることができます。
色々な年代の原画を一度に見ることができるので
線や色合いが少しづつ変化しているのがわかり
それがとても面白く興味深かったです。
以前、降矢さんの講演会で『ナミチカのきのこがり』(童心社)を制作した時のお話をたくさんの写真とともに伺ったことを思い出しました。
人気シリーズの『おれたちともだち』シリーズ(偕成社)のコーナーにはきつねくんと写真を撮ることのできるスポットも。
表紙のアイディアスケッチや、
実際本になった表紙のイラストとは別の構図のもの、
キャラクターを創り出す過程のスケッチなど、
普段は見ることのできない制作過程の貴重な一端を見ることができました。
私が感激したのは降矢さんの子どものころからの大切な相棒のキツネくんを見ることができたこと。
ショーケース越しでしたが、降矢さんに可愛がられているんだなあということがひと目でわかる良い感じのクタクタ具合。
降矢さんの作品では陰になり日向になり大活躍のキツネくん。
(特に昨年出版された『どうぶつABCえほん』(のら書店)では
どのページにもキツネくんがいますね。)
この子が降矢さんのキツネ好きのルーツなのかなあ~と思いながらじっくり眺めてきました。
降矢さんが手がけたお仕事一覧のパネルも展示されていました…
残念ながら、現在は入手困難なものもありますが、「代表作」といえるような皆さんが知っている作品がたくさんあることに、改めて感心していまいました。
原画ならではの力強さ、繊細さは
実際に展示を見ないと伝わらない部分もあります。
でも、絵本のイラストは、ページをめくったり
お話を読みながら眺めることで
より楽しむことができるように描かれていると思います。
今回、原画を見ることのできなかった方も
お家で、ゆっくりと絵本をひろげて
降矢さんの世界を思う存分楽しんでください。