2021年5月読書会レポート『お探し物は図書室まで』

Ⓒお探し物は図書室まで
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大変遅くなりましたが…

5月の読書会のレポートです。

5月の1冊は

『お探し物は図書室まで』

(青山美智子/作 1,760円 ポプラ社)

でした。

 

今月から、新しいメンバーも加わり、レポーターのSさんのお嬢さん(高校1年生)も特別ゲストとして出席してくださり、大変盛り上がりました。

 

今回、参加できなかった3名の方からも感想をいただいているので

そちらも併せてご紹介します。

 

本全体の感想としては、「読みやすかった」「優しさを感じた」

という方が多数。

・読みやすい。仕事を始めたころ、なにからやろうか一歩を踏み出せずにいた時分を思い出した。日々の生活の大切さを感じた。

・わかりやすく読みやすい本だった。作者は、根底に優しさがある。

毒がある作品もあるけれどが、それがない。

・やさしく、心穏やかになれる本。救われる本だった。

・後ろから、背中を押してくれるような本だなと思った。

・サクサク読めて楽しかった。

・作者の暖かい目線が心地よかった。

・とても読後感のいい小説でした。作者は、人の心の奥にある繊細な感情とか、うまく言葉にできないような曖昧な思いをさらりとわかりやすく文章にするのがうまい人だなと感じた。

 

読書会の参加者には図書館および図書館関連のお仕事をされている方が何人かいらっしゃるので、ならではの感想もうかがえました。

・図書のお仕事の本は、自分の仕事で比較してへこんでしまうので、なるべく避けてきた。

自分は、この本の小町さんにはなれないなと思ってしまう。(でも、人につなげるあたたかい人間関係がすてきだと思った)

・分館に勤めているので、本以外の目的で来る人がたくさんいる。共感しながら読んだ。

…など。

 

図書館という場所、図書館司書という仕事の役割について考えたという感想もちらほら…

・小町さおりが、以前養護教諭をしていたという所がなるほどと思った。図書館司書と養護教諭には共通点がある。

・図書館も保健室も集団から離れてメンテナンスするところ。

・図書館には、本を手渡す人がいないとだめだと強く感じた。

 

物語の終わり方、伏線の回収の見事さについて言及する方も複数いらっしゃいました。

・いろいろな登場人物が、最後にみんな絡まっていることがわかる見事なおしまいかた。

・まるで、パズルのピースが組み合わされていくような、見事な伏線の回収。

 

登場人物の仕事の形態にシンパシーを感じたという意見も…

・今の時代2つの仕事を持ってもいいんだと後押ししているような気がする。

・自分の家族に引き寄せてみると、30歳で派遣社員で頑張っている子どものことを思った。

・正雄さんにシンパシーを感じて読んだ。再任用であることなど…

 

人によって、気になった登場人物やお話はそれぞれ…

・さゆりさんの声の記載がたくさんあるのに気がついた。

・浩弥の章に出てくるおかあさんがすごい。

・描写が、あまりに『〇〇〇』(某有名児童書)の主人公に似ているのは、気になった。ここまで強烈な特徴のある人物にする必要があるのかとちょっと疑問。

・「正雄のうた」好きです。

・年代が近い朋香ちゃんにシンパシーを感じて読んだ。勉強、学ぶことの意味を考え、自分に何ができるかと考えた。

・個人的には、一番最後のお話にぐっときました。「社会」という言葉をキーワードに、定年退職した権野さんが、本と出会い、人と出会いかわっていくところが、読んでいてぐっときた。

 

その他にもこんな感想が…

・本の中に詩が入っているのは大事だなあと思う。

人を励ます言葉があり、好き。

・新しいステージに進むには、そのきっかけを手渡す人がいるんだなあと思う。

・書物そのものに力があるというよりどんなふうに読んだか。

という文章が心に残った。

・5人の主人公たちは、「こうなりたい」という希望を自分の胸に抱いている。本人が自覚していようといなかろうとも。

・心が動いて自分が動く。何かと接点を持つことが、流れの中で何かを動かすきっかけにもなっている。どんな人のどんな人生にも意味があるんだと言われているような気がして、励まされた。

 

 

 

 

★お話の中に出てくる「ハニードーム」というお菓子に似ているという佐賀県『北島』の花ぼうろ。

今回のレポーターのSさんがわざわざお取り寄せをして、参加者全員にプレゼントしてくれるという嬉しいサプライズもありました。

Sさんありがとうございました♪