くまのパディントン展 その①

4月28日から6月25日まで、渋谷のBunkamuraザ・ミュージアムで開催している『くまのパディントン展』へ行ってきました。

 

「パディントン」のシリーズが生誕60周年を記念した大規模な展覧会。

ペギー・フォートナムの原画や複製画をはじめ、様々な作家の描いたパディントンと出会うことができます。

また2017年に逝去されたボンドさんのメッセージ、仕事場でのインタビューなど貴重な映像も沢山。

歴代のパディントンのぬいぐるみや各国晩のパディントンの表紙など、パディントン好きにはたまらない展示ばかりです。

 

感想や見どころを…簡潔にお伝えしたいところですが、実は既に3回も観に行ってしまい、お伝えしたいことが多すぎるので、今回は2回に分けてのレポートにします。

くれぐれもお時間のあるときにゆったりお付き合い下さい。

©くまのパディントン
©くまのパディントン

まずは原画・複製画の展示について。

 

パディントンといって私がまず思いだすのは、やはりペギー・フォートナムのイラストのパディントンです。

 

時に無邪気で可愛くて、時にルージーおばさん仕込みのにらみをきかせ、時になぜかおっさんのようで…パディントンの様々な魅力が表情豊かに躍動感溢れるタッチのペン画で描かれています。

イラストを見ているだけで「これはあの場面」「これは、これから大変なことが起こるところ…」とすぐに思いだせるくらい、お話と挿絵の相性がピッタリなんだな~と改めて思いました。

フォートナムのイラストは原画はあまりなく、

複製画が大半でしたが、線画の素晴らしさを改めて

堪能できるので、満足感がありました。

 

©くまのパディントン
©くまのパディントン

フレッド・バンベリーの挿絵も私にとってはなじみのあるパディントンです。

こちらは絵本シリーズで、以前は6冊ほど偕成社から出版されていました。

フォートナムの線画とは対照的にやわらかな少しノスタルジックなタッチのイラストで絵本にはピッタリ。

このシリーズはイラストもカラーでかわいらしくお話も読みきかせにもほど良い長さで「初めて出会うパディントン」にちょうど良かったので、今は絶版になってしまっていて悲しいです。

 

偕成社さん、復刊してくれないかな…

©パディントンとゆうえんち
©パディントンとゆうえんち

その他にも多くの作家が描いたパディントンの原画を見ることができました。

 

 

『ぞうのエルマー』シリーズでおなじみの

デイビッド・マッキー。

デイビッド・マッキーがパディントンを??と驚きましたが

アリス館から小さいサイズの絵本シリーズが出版されてたようです。

 

こちらはゲームのキャラクターのようなアイコンのような縮尺のパディントン。パディントンがとても小さく感じます。

©パディントン、えきにあらわれる
©パディントン、えきにあらわれる

こちらは、ほるぷ出版から出版されていた

ジョン・ロバンのイラストの『パディントン、えきにあらわれる』

です。

ジョン・ロバンのイラストはABCの本やいろの本など、キャラクターブックのようなものが多い印象でしたが、お話の本もあったのですね。

 

©クマのパディントン
©クマのパディントン

そして、現在、理論社からシリーズで出版されているR.W.アリーのイラスト。

てっきりイギリスのイラストレーターだとばかり思っていたのですが、アメリカのイラストレーターだったことにびっくりしました。

優しい雰囲気のイラストながらも細部の書き込みも丁寧にされていて

いかにもイギリス人が好みそう。

パディントン愛がある方なのだろうな~とイラストから想像することができます。

いま、日本で出版されているパディントンの絵本シリーズはこのイラストなので今の小さい子どもたちが親しみを覚えるのは、このパディントンかもしれませんね。

絵本で親しんでから、物語の方を自分で読めるようになってくれたら嬉しいな~

その他にも、アイバー・ウッドの手がけた漫画の原画、商品化のためのアイデア画などが沢山展示されています。

 

沢山のパディントンを見て気がついたのですが

初期のパディントンは必ずしもダッフルコートを身に着けているわけでは

ありません・・・ダッフルコートはブラウンさんたちに買ってもらうので、

特にパディントン駅での出会いのシーンでは着ていなくて当然なのです。

フォートナム、バンベリーのイラストではパディントンは

まだダッフルコートは着ていない状態で描かれています。

でも、パディントンのお話が有名になり、

パディントンが知られるようになるにつれ

パディントンと言えば…ぼうし、ダッフルコート、スーツケースにマーマレード

というように多くの人がパッとイメージするようになったのではないでしょうか

そのため、その後の作家たちは初めからパディントンを

「パディントン・スタイル」で描かれることが多くなったのかな…なんて

考えてみたのですが…どうでしょうね。

 

それぞれに個性的なパディントン。

どのパディントンもイラストレーターに愛されているんだろうな

という事が伝わってきて、嬉しくなりました。

 

欲を言えばフォートナムとバンベリーの原画がもう少し見ることができたら

嬉しかったかな…

 

長くなりましたが、原画・複製画についての感想はここまで。

その②に続きます。