※今回の読書会も密にならないように、広い会場で開催させていただきました。
今回のレポーターは『ゆゆのつづき』の帯に寄稿させていただいたご縁もあり、副店長が担当しました。
作者のこれまでの作品や略歴をまとめたレポート、本を書き始めたきっかけなどがまとめられており
特に
〇リンドグレーンの作品を読んで作家という仕事を意識したこと
〇ケストナーに手紙を書いて返事をもらったということ
〇石井桃子さんの言葉のセンスにひかれたこと
〇大学時代、講師だった清水真砂子さんにレポートの代わりに提出した「創作」が認められたということ
などが、参加者の興味をひきました。
参加者からは『ゆゆのつづき』に関するものだけではなく、高楼さんの作品を通しての感想も多かったのが
色々な作品を書いている作者ならではだと思いました。
『みどりいろのたね』『まあちゃんのながいかみ』『へんてこもりにいこうよ』などの幼年童話は子どもたちにも人気があり、ほとんどの参加者に好評でした。
中学生の時『十一月の扉』を読んで高楼さんのファンになったという参加者もいました。
『ゆゆのつづき』については
〇思っているのを書くのがうまい作者だと思う。
〇プロットをしっかり書いている人だと思った。
〇文章がきれいでいろんな気持ちがよみがえった。
〇何もないようだけど何かある日常生活の風景がよく書かれていた。
〇おばあちゃんの描き方が魅力的だった。
という、好意的な意見が圧倒的に多かったですが
〇嫌いではないけれど、あまり夢中になって読めなかった
〇同じ作者の話でも幼年童話とちょっと読者を限定する話かなと思い、自分は入り込めなかった
という否定的な意見も少数ありました。
幼年童話は好きという参加者ばかりなのに、こんなに意見が分かれたのは
この作品がこれまでの幼年童話の作風とはかなり違うことが大きく影響しているのかなと思いました。
高楼さんの作品が、近年の児童文学作家の中では、富安陽子さんや上橋菜穂子さんともまた違う、
おしゃれな作風が特徴だという意見の共有ができました。
それぞれの意見がたくさん引き出され、満足感のある読書会となりました。